競争しない戦略とは|3つのメリット

競争しない戦略とは、他社と競争が存在しない市場をつくる、または見つける戦略です。同じ土俵で戦うのではなく、自分だけの土俵をつくります。中小企業庁の中小企業白書にも、中小企業の競争戦略を取り上げた節があります。大企業が進出してきたときの対抗策は、中小機構のJ-Net21のQ&Aにもまとめられています。

メリットは3つあります。競争がなく、価格を自社で決めやすいため、利益率を保ったまま成長できます。参入の障壁が高いため、競合との消耗戦が少なく、守るための費用も抑えられます。ゼロから市場をつくるため、市場の大きさに上限を決められず、複数の市場を組み合わせて成長できます。

競争しない戦略の10の型

競争しない戦略には、次のような型があります。例は説明のための一般的なものです。自社の強みに合う型を、一つか二つ選びます。

競争しない戦略の10の型(例は仮の例)
型考え方例
技術先行技術で新しい市場をつくるまだ存在しないサービスを、技術力で実現する
限定チャネル販売経路を押さえ、競合を排除する特定の施設内の販売を、独占的な契約で担う
ウルトラニッチごく狭い分野の第一人者になる歯科医院に特化した内装工事業
地域ドミナント特定の地域で複数の事業を展開し、依存度を高める地域の生活インフラになる
時間帯の独占誰もやらない時間帯にサービスを提供する早朝専門の法人清掃
スモールマーケット大手が入らない小さな市場に絞るごく小規模な需要に応える専門サービス
残存者利益衰退する市場で、最後まで残る需要が減る設備の保守
限定プレミアム生産や販売の数を制限して、希少性で価値をつくる数量限定の最高級品
フルカスタマイズ顧客ごとの完全なオーダーメイド個別に設計する旅行
スイッチングコスト優位一度使うと、他社への乗り換えが面倒になる業務データを蓄積するクラウドサービス

小さな独占市場から、広げる順番

競争しない戦略は、一度に大きくは作れません。小さな独占市場から始め、段階的に広げます。以下の段階は、whymeの講座資料での整理で、時期や規模は会社によって異なります。

競争しない戦略を広げる4つの段階
段階やること
1 最初の独占市場をつくる超ニッチな市場で独占し、一定の利益率を確保する
2 横に広げる、または深める他の地域や分野へ広げる、または同じ顧客に別の商品を提供する
3 プラットフォーム化独占した市場をつなげ、ネットワークの効果で新しい参入の壁をつくる
4 海外展開国内のモデルを輸出し、各国で競争しない状態をつくる

競争がない状態を、続けるときの注意点

競争がない市場は、一時的であることが多いです。利益が出る市場には、いずれ競合が参入します。独占しているうちに、次の参入の壁を築き、強みを深め、横に広げる準備をします。

また、競争がない理由が、需要がないためという場合もあります。競合がいない理由を確かめ、顧客が対価を払うかを、先に試します。小さく試して、反応を見てから投資する進め方が安全です。

  • 競合がいない理由を、需要がないためでないか確かめた
  • 顧客が、対価を払うかを小さく試した
  • 参入されたときの、次の参入の壁を考えている
  • 独占のあとの、広げる方向を決めている