クロスSWOT分析とは|4つの掛け合わせで戦略を導く
クロスSWOT分析のやり方は、SWOT分析の結果を掛け合わせるところから始まります。SWOT分析は、内部環境の強み・弱みと、外部環境の機会・脅威を整理するものです。クロスSWOT分析では、これを組み合わせ、限られた経営資源を勝てる領域に集中し、勝てない領域から早く離れることで、生存の確率を高めます。
SWOT分析やクロスSWOT分析の考え方は、中小機構のJ-Net21の「マンガでわかる『SWOT分析』」でも紹介されています。
| 組み合わせ | 戦略の名前 | 考え方 |
|---|---|---|
| 強み × 機会 | 積極化戦略(SO) | 強みを生かして、機会を取りにいく |
| 強み × 脅威 | 差別化戦略(ST) | 強みを使って、脅威を切り抜ける |
| 弱み × 機会 | 段階的改善(WO) | 機会を取るために、弱みを少しずつ補う |
| 弱み × 脅威 | 回避・撤退(WT) | 影響を最小にとどめる。事業から離れることも検討する |
良い例と悪い例
同じ組み合わせでも、使い方で良い戦略にも悪い戦略にもなります。次の例は、説明のための仮の例です。悪い例は、強みや弱みを無視した場合に起きます。
| 戦略 | 良い例 | 悪い例 |
|---|---|---|
| 積極化(強み×機会) | 熟練の職人がいる工務店が、防災リフォームの補助制度の開始で、技術力を生かして需要を獲得する | 人手不足の飲食店が、弱みを無視して24時間営業の需要に対応する |
| 差別化(強み×脅威) | 顧客データを長年蓄積した店が、新規参入のECサイトに、好みを熟知した個別の提案で対抗する | 強みのない小売店が、価格競争に正面から対抗して、消耗する |
| 段階的改善(弱み×機会) | IT人材の不足する製造業が、DXの補助金を使って、人材を採用・育成する | 全項目が平均以下の会社が、すべての弱みを一度に改善しようとして、資源が分散する |
| 回避・撤退(弱み×脅威) | 技術も価格競争力もなく、大手が参入して市場が縮む事業から、早く撤退して資源を集約する | 「父が始めた事業だから」という理由だけで、撤退を先延ばしにする |
強み×機会に、時間をかける
多くの会社は、弱みの改善(段階的改善)の検討に、時間をかけすぎています。しかし、弱みを直しても、競合との比較では「普通」になるだけで、選ばれる理由にはなりません。強みを伸ばせば、競争環境で「特別」になれます。限られた時間と資源は、強み×機会に厚く配分します。
事業のライフサイクルに応じて、配分の重心は変わります。導入期や成長期は、強み×機会を中心に、市場を開拓し、シェアを広げます。成熟期から飽和期は、差別化(強み×脅威)の比重が増えます。衰退期は、撤退や転換の検討(弱み×脅威)が重くなります。具体的な配分の割合は、事業ごとに決めます。
なぜ、積極化戦略は難しいのか
強み×機会が重要と分かっていても、実際には難しい理由があります。
- 自社の本当の強みが見えていない(当たり前すぎて、強みと認識していない)
- 機会が自分のこととして見えない(市場の動きと、自社の商圏や顧客を結びつけられない)
- 弱みと脅威に、意識が向きすぎる(ネガティブな情報の方が目に入りやすい)
- 強み×機会の掛け算で考えられない(日々の業務に追われ、考える時間がない)
- 成功体験が乏しく、想像できない(過去の延長線上でしか、未来を考えられない)
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