ポジショニングマップとは|競合がいない場所を探す図
ポジショニングマップの作り方を説明する前に、図の役割を確かめます。ポジショニングマップは、顧客が重視する2つの軸(縦軸と横軸)の上に、競合と自社を置いて、競合のいない場所、つまり儲かりそうな場所を探すための図です。
例を挙げます(仮の例)。ある地域の学習塾が、縦軸を「指導の形(集団↔個別)」、横軸を「対象(幅広い生徒↔特定の目標に絞る)」として、競合を置いたとします。競合が集団指導・幅広い生徒に集まっていれば、「個別×特定の目標に絞る」が空白になります。ただし、空白は、需要があることを意味しません。市場として成り立つかを、別に確かめます。中小機構のJ-Net21でも、既存の商品と消費者のニーズを図にして、新しい事業の方向性や差別化のポイントを明確にする手法として、ポジショニング分析が紹介されています。
出典・制度の確認先
ポジショニングマップの作り方|軸の決め方4ステップ
マップの出来は、軸の選び方で決まります。軸は、自社の都合ではなく、顧客が選ぶときに重視していることから決めます。次の4ステップで作ります。
| ステップ | やること |
|---|---|
| 1 候補を出す | 顧客が気にしていることをリストアップし、軸の候補を10個ほど書き出す |
| 2 顧客に聞く | 顧客10人ほどに「重視していること」を聞き、重要度で軸をランキングにする |
| 3 競合を置く | 選んだ2つの軸に競合をプロットして、マップを作る |
| 4 空白を確かめる | 空白地帯に市場性があるかを確かめ、競合がいない理由を確認する |
軸のパターン5つ
軸に迷うときは、次の組み合わせを手がかりにします。自社の業種や顧客に合わせて、言葉を置き換えて使います。
| 組み合わせ | 縦軸・横軸の例 |
|---|---|
| 価格 × 価値の種類 | 高価格↔低価格/感情的な価値↔機能的な価値 |
| ターゲットの広さ × 専門性 | 一般の消費者↔特定の層/何でも対応↔一点に特化 |
| 利便性 × 体験価値 | 便利・早い↔不便・遅い/効率重視↔体験重視 |
| 関与の度合い × 頻度 | お任せ↔一緒につくる/単発の利用↔継続の利用 |
| 解決方法 × 解決の速さ | 人力↔テクノロジー/すぐ解決↔じっくり解決 |
よくある失敗と、空白地帯の確かめ方
ポジショニングマップには、典型的な失敗が3つあります。全社が右上に集まる場合は、「こうあってほしい」という理想の軸を選んでいます。自社が真ん中に置かれる場合は、自社の強みが分かっていません。軸が「革新的」「顧客志向」のように抽象的な場合は、顧客が選ぶ基準になっていません。
空白地帯が見つかったら、すぐに参入を決めず、競合がいない理由を確かめます。顧客のニーズがない、儲からない、競合にできない事情がある、のどれかかもしれません。顧客に空白の価値を聞き、自社の強みで、そこに届けられるかを確認します。
- 軸は、顧客に聞いて決めた(自社の都合で決めていない)
- 軸は、具体的な言葉で言える(抽象的な言葉ではない)
- 競合が一か所に集まっていないか、自社が真ん中になっていないかを確かめた
- 空白地帯に、需要があるかを確かめた
- 空白地帯に、自社の強みで届けられるかを確かめた
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