競合分析のやり方|目的は、勝てる場所を見つけること

競合分析のやり方を考えるときは、先に目的を確かめます。競合分析とは、競合が「できないこと」「やりたくないこと」「気づいていないこと」を見つけ、勝負する場所を決めることです。強い相手を研究して、同じ土俵で戦うための作業ではありません。

目的は3つあります。勝てる市場を見つける、差別化の方向を決める、競合が真似できない領域をつくる、の3つです。

競合分析の3つの目的
目的ねらい
勝てる市場を見つける(戦場の選択)競合が手薄な、または競合のいない市場を見つける
差別化の方向を決める(攻めの戦略)競合と違う軸で勝負する方法を見つける。違う土俵をつくるための情報収集
参入しにくい領域をつくる(守りの戦略)競合の構造的な制約を理解し、競合が追随しにくい戦略を立てる

真似するための分析と、差別化するための分析

競合の売れ筋は何か、価格はいくらか、販売方法は何か、新しいサービスは何か。こうした問いだけで終わると、競合の真似をする分析になります。差別化につなげるには、競合が踏み込めない場所を探します。次の3つの視点が手がかりになります。

競合の「できない」「やりたくない」「気づいていない」の探し方
視点探す手がかり
競合が「できない」こと組織が大きすぎてできない/コストがかかりすぎてできない/ブランドイメージ的にできない/技術的にできない
競合が「やりたくない」こと利益率が低い/手間がかかりすぎる/市場が小さすぎる/リスクが高い
競合が「気づいていない」こと新しい顧客のニーズ/市場の変化の兆し/技術の新しい応用方法/顧客の隠れた不満

競合分析が同質化を生む5つの原因

競合を調べるほど、どの会社も同じになることがあります(同質化)。たとえば、ある地域の住宅会社を考えます(仮の例)。競合のA社は高気密・高断熱、B社は制震装置、C社は太陽光発電の設置で集客していました。「いいところは全部取り入れよう」と決め、全部を並べたキャッチコピーにしたところ、顧客から「どこの会社も同じことを言っていて、違いが分からない」と言われます。値引きを求められ、利益率が下がりました。

こうした同質化には、次の5つの原因があります。

  • 失敗への恐れ:競合がやっていることを真似れば、失敗しても責められにくい
  • 見えるものだけの分析:価格・商品・広告は見えるが、社内の文化や暗黙知などの本当の強みは外から見えない
  • 短期の成果への偏り:競合が今効いている施策を真似るのが、最も手っ取り早い
  • 責任を避ける体質:「業界標準」を理由にすれば、決断の責任が曖昧になる
  • 分析が目的になる:分析が詳細になるほど、同じ土俵での比較が進む

競合を調べる具体的な方法

競合分析の目的は、競合の強み・弱みを理解し、自社の差別化を明確にすることです。中小企業基盤整備機構(中小機構)のJ-Net21では、競合の調べ方として、Web検索で似た事業を探す、実際に商品やサービスを購入・体験する、飲食店や小売店なら現地を訪ねてターゲットの客層や接客を確かめる、といった方法が紹介されています。

あわせて、外から見えない部分は、自社の強みと照らして考えます。社内の文化、暗黙の知識、失敗の蓄積など、競合から見えない強みが、差別化の源泉になることがあります。自社の強みを確かめるには、バリューチェーン分析のように、工程ごとに顧客の評価を確認する方法があります。

  • 競合の売れ筋や価格を調べて終わりにしていない
  • 競合が「できない」「やりたくない」「気づいていない」ことを、それぞれ書き出した
  • 競合の特徴を全部取り入れる前に、自社の強みを確かめた
  • 顧客に、他社を選ばない理由を聞いた