RACI図とは|4つの役割で責任を整理する
RACI図とは、組織やプロジェクトで、各メンバーの役割と責任の所在を明確にする表です。タスクや意思決定ごとに、関わる人を4つの役割に分けて書きます。特に大切なのは、実行責任者(R)と、最終的な責任を負う説明責任者(A)をはっきりさせることです。説明責任者は、1つのタスクにつき1人に絞ります。
| 記号 | 役割 | 意味 |
|---|---|---|
| R | Responsible(実行責任者) | 実際に作業を行い、成果を出す人 |
| A | Accountable(説明責任者) | 最終的な責任を負う人。結果について説明する |
| C | Consulted(相談先) | 実行の前や途中で、意見を求める相手 |
| I | Informed(報告先) | 結果や進捗を知らせる相手 |
RACI図の作り方(例)
縦にタスクや意思決定、横に関係者を並べ、各マスにR・A・C・Iを入れます。次の表は、新しい事業を立ち上げるときの仮の例です。同じ人が実行(R)と最終責任(A)を兼ねることもあります。
| タスク | 社長 | 事業リーダー | 営業部長 | 製造部長 | 品質担当 |
|---|---|---|---|---|---|
| 事業計画の策定 | A | R | C | C | C |
| 顧客の開拓 | I | A | R | I | I |
| 見積の承認 | A | R | C | C | C |
| 製造の指示 | I | A | I | R | C |
| 設備投資 | A | R | C | C | C |
「権限なき責任」を避ける
RACI図で最終責任(A)を決めたら、その人に、責任に見合う権限を渡します。たとえば、新規事業の責任者に任命しても、予算や人事の決定権がなければ、スピードが出ず、責任者の意欲も下がり、責任者が名ばかりになります。
「君に新規事業を任せる」と言いながら、決定をすべて社長が行うのではなく、「売上○○万円までは君の判断で進めてよい」のように、判断してよい範囲を数字で決めます。その範囲での失敗は許容する、という約束も大切です。部下に権限を渡して計画づくりにも参加させることで、主体性が生まれるという考え方は、中小機構のJ-Net21の人材育成の解説にも載っています。
お気に入り人事を防ぐ3つの仕組み
責任者を選ぶとき、好き嫌いや付き合いの長さで決めると、適材適所から離れます。人を選ぶ仕組みを先につくることが、経営者の責任であり、組織の成長につながります。次の3つの仕組みがあります。なお、試用期間や配置転換の扱いは、会社の就業規則や雇用の契約に関わります。実際に取り入れるときは、専門家にも確認してください。
| 仕組み | やること | 効果 |
|---|---|---|
| 要件を先に決める | 人を決める前に、ポジションの必須の要件、歓迎する要件、合わない条件を文章にする | 「好きだが、要件には合わない」と客観的に見られる |
| 一定期間で確かめる | 本格的な登用の前に、一定の期間で実力を見極める期間を設ける(ミッションの達成を確認する) | 「好きだから登用したが、結果が出ない」を防げる |
| 理由を説明する | なぜこの人か、何を期待するか、いつまでに何を達成してもらうかを、経営者が説明する | 具体的に説明できない人事を避けられる |
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