事業計画の目的は、3つに分けて考える
事業計画とは、目指す未来への道筋を、現場が今日から動けるレベルまで具体化したものです。何のためにつくるかによって、読み手も、書く内容も、巻き込む人も変わります。目的は、次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。
お金づくりは、融資、補助金、出資などの資金を得るための計画です。事業づくりは、ビジネスモデルや戦略を見直し、競争力を高めるための計画です。仲間づくりは、組織の文化づくりや採用、後継者の育成など、人と組織を整えるための計画です。以下の比較は、whymeの講座資料に基づく目安です。会社の規模や論点によって変わります。
| 項目 | お金づくり | 事業づくり | 仲間づくり |
|---|---|---|---|
| 作成の目的 | 融資の獲得、補助金の申請、投資家への説明 | 競争力の強化、事業の再構築、新規事業 | 組織文化の醸成、採用の強化、後継者の育成 |
| 主な関与者 | 経営者、経理担当者(少人数) | 経営陣、事業責任者、営業・企画部門 | 全社員、採用候補者、パートナー |
| 主な読み手 | 金融機関、補助金の審査員、投資家 | 社内の幹部、取引先、協業パートナー | 従業員、採用候補者、取引先、地域 |
| 主な内容 | 財務諸表、資金繰り表、投資回収計画 | 市場・競合の分析、事業戦略、実行計画(KPI・アクションプラン) | 経営理念・ビジョン、組織図、役割、人材育成・採用計画 |
| 評価のされ方 | 定量的・客観的 | 定量と定性が混在 | 定性的・主観的 |
| 作成期間の目安 | 2週間〜1.5か月 | 2〜4か月 | 3〜6か月 |
お金づくり|読み手は、返せるかと実現できるかを見る
お金づくりの計画は、金融機関や審査員に向けて、返済の見通しや事業の実現性を示すものです。日本政策金融公庫は、融資の審査で、これまでの業績、今後の事業見通し、業界の動向、申込みの内容を総合的に判断するとしています。財務の数字が中心になり、読み手が客観的に確かめられることが大切です。
関わる人は少なく、期間も比較的短く済みます。提出先の様式がある場合は、その様式に沿って、必要な項目が揃っているかを先に確認します。
事業づくり・仲間づくり|組織を巻き込む場が必要
事業づくりの計画は、環境分析から課題を整理し、経営方針や競争戦略を決め、部門別の施策とKPI、アクションプランまで落とし込みます。数字の計画は、施策の効果を反映した財務モデルで作ります。関わる人が増えるため、経営方針の発表や、各部門が計画に合意するコミットメント会議のような場を設けます。
仲間づくりの計画は、これに加えて、顧客・競合・社員へのインタビューで強みを探したり、幹部合宿やワークショップで経営理念やビジョンを言葉にしたりします。人の意識に関わるため、時間がかかり、定性的な内容が多くなります。whymeの講座資料では、お金づくり、事業づくり、仲間づくりの順に、作成の難しさが上がると整理しています。
今つくる計画の目的を決める手順
事業計画は、3つの目的のどれか一つだけをつくるものではありません。ただ、最初の計画で何を優先するかを決めないと、誰にも刺さらない計画になります。次の順で、今回の目的を決めます。
- 誰に読んでもらうか(金融機関、社内の幹部、従業員など)を決める
- その人に、何をしてほしいか(融資する、動く、共感する)を決める
- 読み手に必要な内容と、関わってもらう人の範囲を決める
- 提出先の様式や期限がある場合は、先に確認する
- 目的ごとの作成期間の目安から、スケジュールを逆算する
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