借入一覧と保証契約を突き合わせる
代表者の変更が済んでも、保証契約が自動的に終了するとは限りません。金融機関ごとに、残高、返済期限、担保、保証人、保証の対象を整理します。リースやその他の契約にも、個人の負担がないかを確認します。
会社の借入一覧だけでは、先代個人の保証がどこまで残っているか分からないことがあります。契約書をもとに金融機関へ照会し、解除や変更に必要な資料と審査の進め方を、交代前から相談します。
保証解除の相談に必要な材料を整える
経営者保証に関するガイドラインでは、法人と個人の分離、財務基盤、適切な情報開示などが重要な論点です。ガイドラインは、一定の条件を満たせば無条件で解除される制度ではありません。金融機関との確認・協議が必要です。
社長への貸付金や私的支出があれば実態を整理し、事業が返済を続けられる見通しと、数字を継続的に報告できる体制を示します。保証を外したいという希望に加え、金融機関がリスクを判断できる材料を揃えます。
制度・手続きの確認先
退職金を支払った後の会社を試算する
退職金は先代の生活を支える一方、会社から資金が出ます。保証解除を相談する時期に多額の支払いを予定していれば、財務や返済余力への影響を合わせて説明する必要があります。株式の売買代金との関係も整理します。
たとえば現預金から退職金だけを差し引き、残額がプラスだから大丈夫と判断するのは不十分です。その後の仕入れ、給与、税金、設備更新、借入返済を含めて、月ごとの資金残高を見ます。受注が下振れした場合も確認します。
税務上の扱いを、定型の倍率で決めない
役員退職金の損金算入には、適正額や金額が確定する時期などの論点があります。よく見かける算式や倍率を使っただけで、金額の妥当性が保証されるわけではありません。職務、勤続、支給の手続きなどを税理士と確認します。
個人側の退職所得にも例外があります。役員等勤続年数が5年以下の特定役員退職手当等には、一般的な2分の1計算が適用されません。支給額と手取り額を混同せず、他の退職給付との関係も含めて試算します。
会社と家計を並べ、実行の順序を決める
会社側は、保証解除の条件、返済、運転資金、投資を整理します。個人側は、退職金・譲渡代金・年金等の収入と、生活費・税金・将来の支出を並べます。同じお金を会社と個人の両方の資金として数えないようにします。
そのうえで、金融機関への相談、承継方針の決定、税務試算、必要な決議や契約、支払いの順番を調整します。退職金、株価、保証を別々に最適化するより、承継後も会社と生活が続くことを重視します。
- すべての保証の対象と解除相談先が分かるか
- 退職金支払後の資金繰りを確認したか
- 個人の手取りと生活費の見通しがあるか
- 各専門家が同じ承継方針と試算を見ているか
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