MBO・EBOの名称より、誰が何を引き受けるか
MBOは経営陣による買収、EBOは従業員による買収を指します。社内承継では、株式を取得する人と経営を担う人の組み合わせ、資金調達の方法によって設計が変わります。名称だけで実行方法が決まるわけではありません。
社内事情に詳しい候補者でも、所有者として資金を投じたり、借入に関わる負担を負ったりすることには不安があります。能力を評価する面談とは別に、本人が自由に判断できる意向確認の場を設けます。
優秀な現場責任者を、そのまま一人で社長にしない
営業に強い人、現場をまとめる人、数字に強い人では、得意な経営課題が異なります。候補者が不足する経験を明らかにし、幹部や外部の専門家でどう補うかを考えます。
まず一部の収益責任を任せ、顧客、現場、資金の関係を判断する経験をつくります。先代が交代後もすべての最終判断を握るのか、候補者にどこまで権限を渡すのかが曖昧なままでは、引き受ける条件を検討できません。
借りられる額より、返し続けられる額を見る
株式を買うための資金は、候補者の自己資金だけでは足りない場合があります。金融機関への相談や買収の受け皿となる会社の設計を検討しますが、器をつくるだけで負担がなくなるわけではありません。
利益から税金、運転資金、必要投資等を考慮し、返済に回せる資金を見積もります。配当等を返済原資にする場合も、法的な制約や税務を確認します。先代への退職金と株式代金を一緒に試算し、事業の資金を二重に当てにしないようにします。
個人保証を、後継者への当然の条件にしない
先代の保証をどう扱うか、後継者にどのような保証が求められるかは、借入や金融機関との協議で確認します。経営者保証に関するガイドラインや事業承継時の特則を踏まえ、必要な情報を早めに揃えます。
候補者には、負担の内容、解除等の相談状況、想定するリスクを説明します。会社への貢献や恩義を理由に承諾を迫ると、承継後の関係にも影響します。本人が独立した専門家に相談できる時間を確保することが重要です。
制度・手続きの確認先
実行前に、交代後の運営を具体化する
仮に複数の幹部が株式を持つなら、代表の選び方、重要事項の決め方、退任時の扱いも論点になります。全員が納得している今だけでなく、意見が分かれた場合を想定し、専門家と規程・契約を整えます。
先代が関与する期間、社員や顧客への説明、金融機関の手続き、株式移転と資金実行の順序を一覧にします。候補者の意向が変わる可能性も踏まえ、代替案と見直す時期を残しておきます。
- 候補者の意思、必要な経験、支える幹部
- 取得価格、費用、退職金、返済の原資
- 先代と後継者の保証・担保の扱い
- 承継後の議決権、先代の役割、退任時のルール
ご相談